【和楽器×森の野外劇場】ライブ開催レポート【2022年10月8日】

詩灯篭2022 ライブ開催レポートを公開

2022年10月8日(土)、愛知県知多半島にある美浜町の森の中にて、和楽器の野外ライブ「詩灯篭(うたとうろう)」を開催しました。

今年で2回目の開催となった詩灯篭(うたとうろう)。5,000円という決して安くないチケット代と、名古屋市から車で1時間かかる立地にも関わらず、延べ100名以上のお客様にご来場いただきました。心より感謝申し上げます。

詩灯篭(うたとうろう)は、音楽体験イベントの制作を行う株式会社遊覧座とプロ和太鼓奏者 旗元企画/神谷俊一郎氏による共同企画イベントです。イベントのコンセプトや詳細は、ぜひこちらをお読みください。

すでに10月8日の開催から10日が過ぎまして、ようやく落ち着いて時間を取れましたので、イベントを振り返っていきます。

大自然の野外ステージ

昨年に続き愛知県知多半島、美浜町の森の中にある「山の広場® 野外劇場 / The Mountain Plaza®」にて開催しました。

木々に囲まれたマイナスイオンな空間
木々に囲まれたマイナスイオンな空間

圧倒的な自然空間。毎回思いますが、本当に素敵な会場でした。空模様、鳥の囀り、虫の声、風の音、木々の揺れる音、そのすべてに演出効果があります。情報化社会に生きる我々現代人にとって、自然の中でゆっくりと過ごす時間がそもそも貴重なので、正直この会場を散歩して帰るだけで満足できてしまいそう。

陶芸で作られた焼き物の反響板ステージ
陶芸で作られた焼き物の反響板ステージ

改めて、詩灯篭(うたとうろう)は自然と和楽器のコラボレーションにより日本古来の風流美を追体験し、時間に追われ情報飛び交う現代社会から逃避する1日を提供したい、というコンセプトがあります。

会場は電波も入りにくく、公演の写真・動画撮影もNG。参加者全員がフレッシュな空気を吸い、自然の音心地に耳を撫でられ、時間やしがらみを忘れてくれていたら御の字です。

17時に公演スタート

開演のご挨拶
開演のご挨拶

日が暮れ始める頃、主催挨拶も済ませて17時に公演がスタート。

和楽器と日本舞踊による日本古来を呼び覚ます演武
和楽器と日本舞踊による日本古来を呼び覚ます演武

和太鼓、笛、箏、そして舞踊。日本の伝統芸能が野外ステージでパフォーマンスを披露しました。

和楽器は皮や木などの自然物でできています。そのため、自然に還ると言いますか、自然の空気や音に本当によく馴染みます。

【和太鼓】呼応する自然と生き物

共同企画者 神谷俊一郎氏
共同企画者 神谷俊一郎氏

今回は和太鼓の演奏を土台に置きつつ、舞踊や箏が上を舞うような構成が多かったです。

自然の中で聴く太鼓は本当に気持ち良いものです。痛快に飛んでいく太鼓の音に呼応するかのように、鳥や虫が鳴き始め、陽の沈みに合わせて空が表情を変えるんです。

単純に自然溢れる場所を会場にしただけではないというか、自然や生き物も一緒にこの時間を作っているような感じ。人間が生物に還っているかのような時間です。

参加者アンケートでも「陽が沈み始め、変わりゆく空模様をぼーっと眺めながら、遠目から聴こえてくる太鼓の響きがとても心地よかった。」というコメントが。嬉しい!

【日本舞踊】過去と現代をつなぐ神秘の舞

美しき儀式のような神秘の舞
美しき儀式のような神秘の舞

和楽器の演奏の中に日本舞踊。その舞はまるで儀式のように洗練され、まるで太古の日本と現代の意識を繋ぐかのような時空間を作り出します。

ダンスの表現とはまた違い、その1つ1つの動きや姿勢に深い意味合いを感じる舞踊。なぜだか、気づけば見惚れているんです。周りの音がぽーっとぼやけて、目には舞踊だけが刻まれており、いつの間にか時間が経っている。不思議な感覚でした。

舞踊は昨年の初回も取り入れており、参加者からおかわりの声も多くいただきました。そして今年の参加者アンケートでも「もっと舞踊が見たかった!」というお声が。皆さん見惚れてますね。

【ライブペイント】自然と生命の表現

感じたインスピレーションのままに描き進める画家
感じたインスピレーションのままに描き進める画家

今回初めての取り組みとして、画家とのコラボレーションを実施しました。和楽器の演奏、舞踊、そして自然から得たインスピレーションを元に、その場でデッサンを進めるライブペイント。これがまた見応えありでした。

最終的に完成した作品の1つがこちら。

画家によるライブペイント作品
画家によるライブペイント作品

抽象画は鑑賞者それぞれの受け取り方で楽しむことができるもの。僕は太鼓に呼応する人々の心臓と解釈。響き渡る太鼓の音に、ご来場された皆様の心が反応し、火が付いたのではと。

この詩灯篭(うたとうろう)への参加を通じて、忙しないこの現代社会を生きるための生命力を持って帰ってもらえたら、なんていう気持ちからそう見えたのかもしれません。

【コラボ】和太鼓とライブペイント

絵画によって生命力を吹き込まれた和太鼓奏者
絵画によって生命力を吹き込まれた和太鼓奏者

和太鼓と絵画のコラボレーション。なんと和太鼓奏者の体に絵を描き込みました。どうなるかと思ったけど、圧巻のパフォーマンスでした。

音や自然から感じた生命力を画家が和太鼓奏者に吹き込み、大太鼓の音に乗せてその生命力をご来場者に届ける。自然の生命力を芸術の力で人々と共有・共鳴する時間。本当にすごかった。。。

圧巻の大太鼓パフォーマンス
圧巻の大太鼓パフォーマンス

拍手喝采、そして終演。

出演者の挨拶
出演者の挨拶

約1時間強の公演を終えて、最後は出演者が挨拶。1人1人違った出自や想いを述べました。良い意味で緊張感のある中での公演でしたが、最後に出演者の声や素顔を知ることで、グッと親近感が沸くというか、参加者も含めた一体感が生まれたように思いました。

詩灯篭 終演を記念した一枚
詩灯篭 終演を記念した一枚

主催した身で言うのもどうかと思いますが、素晴らしい公演だったと思います。現代社会の喧騒から逃げ出す1日。自然の生命力を吸収して、良い風を社会に吹かせていきたい。来年はもっと良いカタチにしていきます。

参加者、出演者、スタッフ、関わってくださった全ての方々へ、お疲れ様でした。ありがとうございました。